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久しぶりの母のふるさと奄美大島は久慈である。

久しぶりの母のふるさと奄美大島は久慈である。
何年ぶりだろう? もう4・5年は経つかもしれない。20年ほど前に初めて訪れた時の、あの晴れの日の美しい入り江の風景を期待していたが、空港で昼過ぎにレンタカーを借りて出発した頃の晴れのいい天気は、残念なことに久慈に着いた頃には曇り空になっていた。それでも久慈は久慈。対面する同じ瀬戸内町の加計呂麻島と海岸線が複雑に重なり合い、その入り江の穏やかなることは天気の晴れ曇りを度外視した美しさがあることに気が付いた。従兄弟に船に乗せてもらい海側から集落を見れば、護岸工事が進んで集落の景観が変わり少し残念な気持ちもしたが、変わらぬ裏山の佇まいの穏やかさに心しんみりと癒された。応援してくれている集落の人達にも知らせずに、義理を欠いての申し訳ないプライベートな一時間ほどの短い滞在ではあったが、天国にいる母から大きな手で頭を撫でられたような心安らぐ気がした。もっと頑張りなさい、ではない、もう十分に頑張って来たんだから、と言われているような。

 

再来年の35周年は武道館などと大きな確信的なホラは吹いたものの、今の僕を取り巻く状況では正直、可能性は無いに等しい。ファンの人の小さな心が何千集まってのイベントでなければ意味がないと思っているし、そうなると宝くじ当てるほどの確率かもしれないな。弱気で言うのじゃないけれど、いや、弱気かな。時代や人の評価っていうものは悔しいけれどいかんともしがたいものがあるよね。全く不条理だよね。でもこれも天の配剤と受け止めて、前向きに生きて行くしかないね。 全く世の中に言いたいことは一杯あるけれど、歌うしかないんだよ、俺は。

 

(そうこれまで通り歌えばいいんだよ、お前は)

 

2011年2月1日