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From 龍雲

南アフリカで開催中のサッカー・ワールドカップ、

南アフリカで開催中のサッカー・ワールドカップ、日本は初のベスト8を賭け南米パラグアイと戦ったが、0対0のまま延長戦になり、結果、惜しくもPK戦に破れて決勝トーナメント敗退となったが、いやぁ、本当に良く戦ったね。楽しませてくれました。
戦前、岡田監督やイレブンにバッシングが集中したが、キャプテン長谷部を中心にチームが良くまとまり、そう、この長谷部をキャプテンにしたことが、僕に言わせれば、岡田監督のファインプレーであったような気がする。試合後のインタビューを聞いていても、キャプテンとしての彼はきわめて冷静で、軽卒さを感じさせない性格がチーム・メイトに安心感を与えていただろうことは、中学時代、野球部の副キャプテンとしてきわめて軽卒に振る舞っていた自分には容易に想像できる。大久保、松井、遠藤他、個性豊かなタレントに加えて、本田というスター・ストライカーが誕生して、このチームは見事に完成されたと言えるかもしれない。
メキシコ・オリンピック銅メダルの釜本、杉山で興奮した世代の自分にとって、それに次ぐ快挙に思われる今大会は、世界一への日本サッカーの可能性を夢見させてくれる新たなスタートと感じられる。
岡田監督は確か昭和32年生まれで僕と同級生のはずだが、このプレッシャーの中で良く本当に頑張ったと思う。自分ならゲロでもはいてぶっ倒れていただろう。顔は見るからに地味、頑固で、それでいてブラックがかったユーモアも併せ持つ熱血漢といった印象だが、大舞台での同い年の彼の奮闘に大いに勇気をいただいた。日本中の同級生に成り代わって感謝いたします。ご苦労さん。

 

でも同級生っていいなぁ。どこに生まれて育っていても。その言葉を聞くとぐ~んと親しみを勝手に感じてしまう。たぶんそれは、故郷の学生のあの頃が切なく懐かしく胸の中に仕舞われているからだろう。年を重ねて初めてわかる。同時代を共に生きれたことの奇跡、そのスゴさ。みんなに感謝しなければなぁ。

 

世界中で愛されているサッカーと言うスポーツ。ある意味、バーチャルな戦争といえるかも。やる方も見る方もそれぞれに愛国心むき出しで。だからこそ試合後の相手チームとの爽やかな互いの検討を讃え合う交歓がとても大事だと思う。それを見てそれぞれの国民は国家間の欲求不満の幾分かを解消でき、次の戦いまでの数年を、もしかしたら本当の戦争になる危険を避けることができる。思慮浅きこと百も承知だが、そう思えば、サッカーと言うスポーツが単なる金儲けでなくますます激しく面白いものとなり、加えて平和な世界もなんとか保たれて行く。
スポーツと言うだけにとどまらない何かがこのワールドカップ・サッカーにはあると、遅まきながら俄サッカー・ファンの私はそう考えた。

 

2010年7月1日