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From 龍雲

2020年4月のメッセージ

あっと言う間の一ヶ月が過ぎた。
新型コロナウィルスの蔓延を防ぐために、国からライブ活動等に自粛要請が出され、スーパーへの買出し、ジョギング以外は不要不急の外出も控えてこの一ヶ月を乗り切って来た。しかし、四月になれば収束に向かうかと思われていたウィルスの感染は止むどころかむしろ拡大傾向にあるように見える。東京では感染爆発による医療崩壊が懸念されて、ロックダウン(都市封鎖)の必要を迫られるまでに事態が緊迫している。報道によれば、未だ医療現場では必要不可欠なマスクや防護服が不足しているようだし、重篤患者を受け入れるベッドの数や人工呼吸器の数なども十分でないらしい。聞いて歯痒くなるばかりで、この一ヶ月、何を優先して対策していたのかと責任官庁に対して疑問を抱かずにはいられない。オリンピック、パラリンピックの開催問題を政治的に引っ張り過ぎて、延期決定を機に沈黙していた東京都知事が急に危機を声高に訴え始めたのも何か負に落ちない。そんな中で不世出の名コメディアンであった志村けんさんが感染により死亡と言う訃報が流されて自分のみならず国民の多くが大きなショックを受けている。感染爆発のピークを遅らせるために検査数を減らしたりした方策を取って来たのなら、すでに準備が整っていて然るべきであろう。今さら慌ててもらっては国民が困るのだ。為政者には本当にしっかりやってもらいたい。
森友問題の隠蔽にも本当に腸が煮え返っているのだが、ここはひとまず今回は冷静になって、新しく近々リリースされるアルバムの話しをしよう。

アルバムのタイトルは『静かな心』。同名の曲をフィーチャーしており、それは亡き姉へのオマージュとして作った作品で、このアルバムの(今をどう生きるか)と言うコンセプトを形作ってくれている。全10曲を収録して、一曲一曲は違ったテーマの歌であっても、そこに貫かれている(生かされていることの意義)みたいなものを感じ取っていただけるであろう。アレンジャー、ミュージシャン、エンジニア、デザイナー、カメラマンはいつもお世話になっている信頼できる方たちにお願いしたが、一曲だけアレンジを久しぶりにアコースティックギターの安田裕美さんにお願いして、セカンドアルバム『発熱』での『つまさき坂』『お遍路』の世界観を求めた。後、特筆すべきことは、『栄光の星』と言う曲でどうしてもコーラス、それも若い人たちのコーラスが欲しくなり、沖縄の海岸でギターを持って歌っている若者にジョギング途中に闇雲に声をかけてレコーディングに誘ったりした。結果、彼の知り合いその他に集まっていただき沖縄のスタジオでコーラスを収録し、そのコーラスにさらに東京で若いコンサートスタッフの声を加えて曲を仕上げている。どうかそんなニューアルバムを楽しみに待っていて欲しい。

このレコーディングは二月中に二度に分けて東京に出向いて行ったものだが、もしコロナ感染が流行っている今のような状況であったなら当然行われていなかった。
その意味で言えば、この時期にできるべくしてできたアルバムと言えるだろうし、その完成を自分自身大いに感謝しなければいけない。
コロナウィルスのせいで、人の心が不安にささくれ立っている今こそ、希望を失わない心の豊かさを忘れないように生きて行きたいものだ。