今、中国の武漢に端を発した新型コロナウイルスが猖獗を極めているが、パンデミックの様相を呈し始め世界規模のニュースになろうとしている。連日、ウイルス感染者の動向が伝えられ、その広がりが懸念されるにおいて、他人事と思っていたここ沖縄にもじわじわとその懸念が当然の様に押し寄せて来ている。
ここ数年、乗客定員3000人を超える規模の大型客船が中国人観光客を乗せて日に2度も3度も訪れて来て新たな沖縄の風物詩になっていたが、ついに乗客ゼロのクルーズ船が着岸して話題になっている。観光立国の沖縄としてはその経済的な損失は計り知れないものがあるはずだが、それよりも何よりも、感染すれば肺炎を引き起こし場合に寄っては人を死に至らしめるこの危険なウイルスを退治するため、世界中の医療関係者が協力し合ってワクチンの開発を急ぎ、一日も早い収束宣言を願わずにはいられない。加えて観光立国沖縄に痛い話題として…
首里城の火災からちょうど3ヶ月が経ち、再建に向けてようやく3月中に提言がまとめられ、漆などの調達に国のバックアップも得て元通りに復元されることが決まったらしいが、正直まだそんなところだったのかと、1日も早い復旧を願っている者の一人としては、ニュースでそれを聞いて拍子抜けした。
今年元旦に炎上後初めて首里城をファンクラブの会報のためにレポートして、正殿などを焼き尽くしたその火災の激しさに茫然自失して立ち尽くしてしまった。気を取り直して周囲を見渡し、観光客に注意を向けると、観光の足も途絶えているのではないかと心配していたが、あに図らんや、多くの人で賑わっており、初詣の意味合いも少しはあるのか現地の人も多く訪ねて来ていたように思えた。さすが、沖縄の象徴としての首里城の人気は健在で、焼けたら焼けたでその姿を心に留めておきたいとする思いと、そこに在りし日の姿を忍びたいとする思いが二つあって、観光への打撃はそれほど心配するには当たらないように思えた。(あくまでもこれは元旦時点での感想であり、現在のものと異なることは言うまでもない)
そのうち再築の工事が始まれば周囲が覆われて殺風景となり、その時はいくらか観光への興味も半減させられるだろうが、プロジェクションマッピングなどを駆使して正殿を夜空に浮かび上がらせるなどしたら、それはそれで観光の目玉になり得るのではないかと勝手に想像を膨らませていたが、今となればそれもこれも新型コロナウイルスの今後の結果次第となってしまった。
いずれにしても、焼失当初は首里城復元には20年以上かかると言われていたが、生きてる間にもう一度、壮麗な首里城を見せていただきたいものである。