昨夜の博多でのLiveを終えて、今まだ博多のホテルにいて、このメッセージを書いている。小雨の中、ゴルフを楽しんで(苦しんでかも)帰って来たばかり。
大相撲の千秋楽も昨日で終わり、博多にもいっきに冬が訪れた感じで、スコア同様、肌寒い一日だった。
18歳からデビュー後の23、24歳まで博多に暮らしていたが、この街の冬も中々に厳しかった。港近くの油槽場でアルバイトをして、ドラム缶に入った重油を農家などに配達するのだが、肉体労働の仕事を終えて、冷えた体を長浜ラーメンをすすって温めたことが懐かしく思い出される。気持ちもふところも貧しかったことがさらに寒さを助長させていたのだろうが、今から思えば、寒さに震えていたあの時こそが今の自分を形作っていたとも思え、中原中也の詩ではないが、思えば遠くへ来たもんだ と言う感慨を今更に覚える。
が、一方で、街を歩く度に辛い記憶にぶつかり、この街にいる俺はいつまで経っても18歳のあの頃のままだとも感じる。
デビューもこの街で果たし、楽しいこともあったが、総じて、辛い記憶の方が多く残っている博多は自分にとってそんな少しほろ苦い街だ。
今まで、もう一度この街に帰って来て住みたいかと問われれば、NOであった。昨日は違った。もう一度住むのもいいかと。多分、辛い記憶を乗り越える強さが備わって来ているのか、あるいはリセットされた今後の人生に、純粋にこの街の良さを感じとったのか、その両方なんだろう、きっと。
2009年12月1日