永井龍雲 Official Web Site

お問い合わせ

ホーム > From 龍雲

From 龍雲

2019年1月のメッセージ

明けましてお目出とうございます。

毎年12月になると航空会社から翌年分のカレンダーが送られて来る。
一定のマイレージを獲得すれば入会できるクラブから手帳と一緒に届けられる。
各月、美女たちが世界中のさまざまな場所でその季節に応じたテーマで写真に写っているもので、冷蔵庫の横面にマグネットで留めている。
今年(2019年)のカレンダーに掛け替える時、昨年のカレンダーを見たら、そのどこにもメモした形跡がない。真っ白なままに2018年が終わっていた。
いつもの年であれば、一日一日のカレンダーのひとマスに予定を書き込んでいたものだが、昨年は違っていた。姉を亡くしたショックからその気力さえ失われていたように思える。お遍路に歩いた計画さえ記されていなかった。
今年のカレンダーにもまだ何も記してはいない。でも今年は少しずつ書き込んで行こう。ショックから立ち直ると言うよりも、自分自身が今、今を生きる証に。
今時、スマートフォンにもカレンダーは必ずある。スケジュールを管理するにはそれで十分であるように思われるが、ペンを持ってわざわざカレンダーに書き込む行為とは全く違う感じがする。今年こそ良い一年になるように思いを込めて一字一字スケジュールを丁寧に書き込む。楽しみな予定であれば、さらに時間をかけて丁寧に書き込む。その反動なのか半年も過ぎた頃になると代わり映えのしない一年に落胆し始め、書き込むスケジュールも雑になり始め、読めないことさえある。しかし、このような心の動静が反映されるのが手書きのカレンダーの良さであり、スマートフォンのそれとは明らかに違っている。
かかさず日記をつけている人は言うまでもないが、予定を細かく丁寧に手帳なりカレンダーなりに手書きしている人はきっと、人生を前向きにとらえ、何事にも積極的で、自分から見て、生きる達人と言える人が多いのに違いない。
そんな意味で今年は自分の行動をちゃんと理解し管理できるように、少なくとも、そのカレンダーに予定を書き込んで行くつもりである。

とはいえ、昨年、四国の山々を歩いて感じたことは、苦しみや悲しみや喜びを感じるその瞬間こそが生きているということであり、そのことに思いを集中して対処することでいいんではないかと思うようになった。予定は予定としてあるが、あくまでも今日の今この瞬間を意識して生きる。そしてそれが繋がって行くというような。平たく言えば、過去に囚われるな、未来を思い煩うな、と言うことになるのだろう。そしてそれが今年の自分のテーマとするところである。