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今月リリースされる新曲の

今月リリースされる新曲のPV(プロモーションビデオ)撮りで久しぶりに球場に出かけた。
もちろん球場と言ってもプロ野球で使用するようなところではないが、スコアボードに、観客スタンド、照明もあり、ベンチ裏にダッグアウト(控え室)まであるというちゃんとした球場で、そこを朝からの数時間貸し切っての撮影であった。
前回のシングル『顧みて』で、本人出演バージョンということでジョイサウンドのカラオケに初めて登場したわけだが、一曲を色んなカットで撮影するため、何十回も口パクで歌わされ(そのおかげで歌詞は完璧に頭に入ったが)結構1日がかりで大変だった思いがあり、次はもうやらないと思っていたのだが、今回の新曲に賭けるスタッフの熱意には抗しきれず、ずるずると意識を失って引きずられる人がごとくに撮影に連れて行かれた。
都内の某公園内にある球場に着くとすでにレコード会社の宣伝担当、撮影クルーは打ち合わせを終えて待ってくれていた。朝も早く億劫ではあったが、挨拶を交わし、監督より撮影の段取りの説明も受け、持参した衣装に着替え、グローブとボールを手渡されグランドに出たのだが、
おー何と、その瞬間に五月晴れの青空の下で、野球小僧だったあの頃にすっかり意識が帰ってしまったのだ。久しぶりにはめるグローブの、キャッチボールでボールを受けた時の手に収まる感覚、ボールに右手の指先をかけスナップを効かせてマウンドからキャッチャーめがけて投げた時の肩にかかる負荷、蹴り上げた右足の靴の親指辺りについた土、どれも懐かしいものであり、水槽に飼われていた魚が海や川に戻って来たような本然の喜びが体を包んでいた。撮影の進行上わずか10球にも満たないキャッチボールだったけれども、ジョギングで味わうのとはまた違った種類のストレスの発散だった。この後場所を変えて居酒屋のカット、最後に弾き語りのカットを撮ったのだが、居酒屋のカットでは洒落で演技?などして、そこそこに盛りだくさんのPVになってると思う。乞うご期待。
次にまたPVの撮影があるとは思わないが、今回、僕が野球を好きだということを知って、球場を貸し切ってまでそのシーンを作ってくれ、久しぶりにボールを握らせてくれたスタッフさん達に大いに感謝している。ありがとう。でももうPVはやらないよ。東京ドームを借り切ってくれたら別だけど。そんなことあるわけないか。アッハ!