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ファンクラブ『らんぷ』の会報に毎回

 

ファンクラブ『らんぷ』の会報に毎回、『らんぷラジオ』と称して30分ほどのDJ風な喋りをCDにして会員の皆さんにお届けしている。内容は、曲にまつわるエピソードの紹介だったり、自分のルーツ曲の弾き語りだったりを、会員の皆さんのお便りを交えて構成している。会員向けだけの番組と言っても、ちゃんとプロのディレクターもお願いしてスタジオも借りての本格的なものである。気ままな一人喋りであるが故にいささか支離滅裂な感は無きにしも非ずではあるが、会員の皆様にはなかなかの好評である。生まれつきおだてには滅法弱い質であり、調子にのって楽しくやらせてもらっているが、本当のところ喋りは苦手である。毎回もっと落ち着いて普段通りの喋りはできないものかと思うのだが、スタジオに入ってマイクの前に座ると、いつも時間に焦るあまり早口になって内容も上滑りなままに終わってしまう。慣れてないせいもあるだろうけど、そんな事言ったら、あの高倉健さんのラジオでの一人喋りをかって耳にした事があるが、『不器用ですから』と無口で有名な健さんの喋りのお上手なこと。上手と言うか、味なんだな、やっぱり。

健さんの場合は歌についてもそれが言える。上手下手を超えた味がある。渥美清さんもそうだったな。だからあの喋りを聴くとゆっくり語ってもいいんだと思うけど、これが実際なかなか難しい。行き当たりばったりじゃなくてもう少し準備して収録に向かえば余裕も持てて少しはましだろうと思うけど、結局DJの型と言うものから抜け出せないでいる。我々世代は深夜放送の黄金期みたいな時代で、テレビとは違ってラジオとは早口でまくしたてるものだと言う先入観が何処かに残っている。そこから脱して自分の語りと言うものがそろそろできたらと思うのだが。

しかしこんな喋りの苦手な私ではあるが、かってはラジオのパーソナリティとしていくつかの番組を任されたこともあったのだ。もうもう昔のことだけど、FM福岡で『ミュージックラブレター』とタイトル忘れたけどもう一つ、FM東京で『ひとつぶの青春』、そしてニッポン放送ではなんと『オールナイトニッポン』でも。今思ってもあまり自分から積極的に選んだ仕事ではなかったが、経験はそこそこあったのだ、他人事のようだけど。そう。あまりに昔過ぎて他人事のようにしか思えない。『らんぷラジオ』をやるようになって忘れてた記憶が呼び起こされたような気がして、なんとなくその時代の経験だけで今、喋っている感じがしている。

それが、今度またラジオのレギュラー番組を持つかもしれない。詳細は追ってお知らせすることになるが、各地のコミュニティFM用の番組ということらしい。10年ぐらい前に話しを頂いたことがあったが、その時は余裕がなくて断っていたが、『らんぷラジオ』をやっておだてられ調子に乗って少し今回は積極的になっている。喋りの方は相変わらずだろうが、少しでも落ち着いて自分の本心に近い語りができるように徐々に頑張ってみるつもりだ。

そんなこんなで今年もあとひと月。還暦、40周年という大きな節目に向けての来年は準備の年になる。これからは一つ一つのどんな仕事も最後だという想いで喜びをもってやらなければいけないと思っている。

今年も一年本当にありがとうございました。