久しぶりに早起きしてこのメッセージを書いている。起きてすぐ洗濯機のスイッチを入れて、今、服を干し終えたばかりだ。蝉の鳴き声がジリジリと夏の強い日差しとともに体に突き刺さって来る。マンションの向かいに1年ほど前にできた保育園から子供達の泣いたりはしゃいだりの騒々しい声が聞こえて来る。いつもはこんなにうるさくなかったはずだがと思い、少し苛立たしげに保育園の方に目を向けると、それもそのはず、丁度同じ高さになる保育園の屋上で子供達が水遊びをしている最中だった。
昔なら行水と言えばアルミの盥(たらい)だったが、今は何て言うのかアニメのキャラクターが画かれたビニール製の小さな円いプールで、その中ですっかりテンションが上がって言うことを聞かない子供達と数人の若い保育士たちが賑やかに格闘している。そう言えば先ほどまで喧しかった蝉の鳴き声がいつの間にか止んでいて、それが止んだ分だけ少し心が穏やかさを取り戻して来た。
数日前、NHKのラジオ体操がすぐそばの海浜公園から全国に生放送されていて、その日のニュースで多くの人が集まって体操している映像が流れていた。最初、娘達と一緒に行こうかとも思ったが、朝6時からということにすっかりめげて諦めた。今朝の目覚め方であれば間違いなく行けたのにと思ったが、夏休みボケして夜更かしが続いている娘達を起こして一緒に行くことはいずれにしても無理だったであろう。
われわれの頃の夏休みと言えば、宿題としてラジオ体操に参加するため近くの公園や、例えばうちの田舎の場合は神社に毎朝通わなければならず、境内で町の老若男女と一緒に体を動かした。首から下げるように紐を付けた紙のカードには夏休みの日数が区切られ、それに上級生が押してくれる出席の判子が増え行くことを楽しみに、早起きは辛くとも毎朝時間ぎりぎりに跳ね起きて通っていた。
このラジオ体操は日本人の体格向上のためにと1928年(昭和3年)から始められたらしいが、タンタータ・タッターで始まるピアノのイントロと「朝だ朝日だ朝焼けだ~」のラジオ体操の歌は、国歌「君が代」と同じぐらい体に染み込んでいる。つい最近、ラジオ体操第二が(自分でやってても笑える変な体操だったが)これが健康に良いと何かで読んだか見たかした。もともと第二は青壮年向きに当時作られたものであるらしいから、ちょっと信憑性がある。そこで動きを思い出そうとしたけど、思い出せなかった。
1928年当時と今とでは高校生の平均身長は10cmぐらい違うのじゃないかと思うのだが、当時、日本人の体格向上を目指して国策として始めたラジオ体操、その成果があってかは知らないが目的は達せられたと思う。今度は国をあげて日本人の精神的幸福向上のために取り組む時じゃないだろうか。戦争のための体作りじゃなく、平和のための心作り。 岡山の中年男性による小学5年女児の誘拐監禁、佐世保の15歳高校一年女子の同級生殺害にそのことを強く思う。 病んでいる。どこか大人も子供も。
2014年8月