9月2日の今日、浅草木馬亭での2日間のライブを終えて台風が通過中の沖縄に戻って来た。木馬亭でのライブに集中していたせいで月頭のホーム・ページのメッセージの更新が遅れて、大変申し訳なく思っている。
今年の木馬亭は初めてのゲストとして講談師の宝井琴調(たからいきんちょう)師匠をお迎えし、講談とのコラボのコーナーを設け、僕なりに実験的な試みでもありシャレでなしに多いに緊張していたが、結果的には30日、31日の2日間とも大入り満員と評判も良く、『歌花火』と題した夏恒例のこのイベントを無事に終えて今一安心といったところである。早くも来年は3日間という欲も出て、好きな浅草で来年も良い企画ができたらと夢見ている。
今日、沖縄に戻って来る前に奄美会の方と11月の奄美復帰60周年イベントの打ち合わせかたがたの昼食会がセッティングされていたので、昨日1日は東京に残ってオフ日とし、銀座の宝塚劇場にある映画館で宮崎駿監督の『風立ちぬ』を見に出かけた。内容的には期待を裏切らない監督らしい美しく素晴らしいもので、すごく感動した。偶然にも9月1日のこの日は『風立ちぬ』の映画のシーンにも描かれていたが、関東大震災のあった日で、何か不思議な想いを感じていたら、その夜中に宮崎駿監督引退のニュースに接して、偶然とはいえこのタイミングの完璧さをも含めてヒット作品の持つ不思議な力というものをまざまざ僕に知らされたような気がした。ジャンルがどうこう言うよりもプロの仕事といった意味では監督の足元にも及ばない。同じ創作者ならば姿勢として学ばなければいけないものを沢山持った宮崎駿監督を尊敬して止まない。
プロの仕事と言えば、木馬亭で初めてご一緒させていただいた講談師の宝井琴調師匠も同じで、そのしっかりとした奥行きのある芸、その人間性に感銘を受けた。僕ももっと深いところを目指さなければいけない。人間を磨き、いつか匠(たくみ)の仕事と呼ばれるような作品を残すために。頑張ろうっと。
2013年9月3日