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え、もう三月?

え、もう三月?
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本対ブラジル戦をテレビで見終えて、慌ててこのメッセージを書き始めてる。すっかりメッセージの更新を忘れていた。と言うのも先月、痛々しいギックリ腰メッセージと、悲愴感漂う東京マラソンのリタイア・メッセージを短いながらもアップしていたので、すっかりもう書き終えたものとばかり思って、小の月二月の過ぎたのさえも気づかなかった。そう言えば今日、腰とふくらはぎの検診に行った時、保険書の提示を求められ、あ、そうか、月初めだから提示を求められるのかと一瞬思ったが、それだけだった。手に汗握る野球観戦の最中、スタッフから催促のメールが届いてやっとわかった。

 

すでに今日は三日。え、雛祭り?
もう一昨日のこと。NHKの女性アナウンサーがテレビで、「女二人姉妹なので、岡山の実家では雛人形を飾っていた」と言ってるのを聞いた時、結局、俺は娘達に日本の女の子らしい祭りを十分に祝ってあげられなかったなと、親として寂しい気持ちになった。自分があまりに複雑な環境で育ったせいか、強く平凡な家庭に憧れ、自分の子供には行事ごとはすべてやってあげたかったのだが、普通の家庭なんて夢のまた夢で望むべくもなく、それどころか自分の極端な歪んだ性格がすべてをぶち壊して来た。今さら反省してもその報いは嫌という程自分で味わって来ているので反省する気はあまりないが、雛祭りと聞いてせつなく心が反応するのは事実毎年のことである。でもまぁ、娘達も大きくなり、またアメリカでの生活も長いことから、雛祭りって何、ぐらいにしか思ってないようだし、もっと貧しく薄幸な世界中の子供達のことを思えば、単なる親の自分勝手な感傷にすぎないとも言える。

 

デヴュー35周年も今月を持って終わり。え、もう60歳?
まさかそんなことはない。まだ55歳ではあるが、でも40周年までのこれからの5年はきっとあっと言う間に過ぎて行くだろう。そして過去のどんな5年よりも人生の深みを味わうことになるだろう予感がする。心して生きなければならない。どんなことをも何とか乗り越えられる精神力と体力を身につけなければいけない。そう思うのだが、どうしたらそれを身につけることができるのか、どうしたら心平穏に生きて行けるのか、今はわからなくて、時に悩む。備えあれば憂いなし。憂いばかり多くて今は備えなしと言った状態だ。でもまだ時間はある。と言うか、次の5年はまだ始まってもいない。今このメッセージを書く一字、一刻から始めよう。今日から作る詩の一行、曲の一フレーズから。これから発する言葉の一言から。心の平穏を探す旅を。

 

追伸。え、まだあるの?
野球だが。今日、日本と対戦し善戦したブラジルチームの選手の多くが日系移民の子孫達で、ルーツである日本にやって来て爽やかに戦う若き姿を見て痛く感動した。どんな感動かと言うと、人生を必死に生き抜いて来た彼らの先祖たちの美しい花がそこに咲くのを見た思いがして、その瞬間心が安らぎに包まれた。求めるところの心の平穏ってもしかすると感動するってことなのか!?

 

2013年3月3日