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From 龍雲

七月になりました。

七月になりました。皆さんお変わりなく、元気でいらっしゃいますか。心配をおかけしました心臓の方も全く異常なく、現在少し喉風邪をひいてはおりますが、それも徐々に回復にあり、喉風邪でいっそう際立った低音でフランク永井を真似てみたりと、御心配には及ばず脳天気に暮らしております。
皆様におかれましては、それぞれに様々な生活状況下で、何かと心配事もおありかと存じますが、まずは健康で心平和に暮らしていることと祈り疑いません。
コンサートで皆さんとお会いし、両者、束の間の人生の休息を味わったかと思えばまたすぐに日常に舞い戻り、淡白な時間の経過の中でまた次の出会いばかりを指折り数えて暮らす生活は、どこか恋人同士の感情のように甘美なものでもありますが、だからと言って束の間の出会いの喜びだけに依存していては、その甘美ささえもがいつの日か日常に埋没してしまうのではないかという不安を絶えず有しております。
先ほど脳天気に暮らしておりますと、それこそ脳天気に申し上げましたが、皆様はいざ知らず私は脳天気に暮らしていていいはずは決してなく、それこそ次の逢瀬までに何か何でも皆様に対しての誠意のたとえ一片のかけらであろうともお見せできなければ、皆様の傍に寄り添う価値のないものと覚悟を決めております。どうかその時はいつでも暮れなずむ夕陽のような優しさはいりません。真夏の照りつける陽射しのように毛ほどの躊躇いもなさらずに私を何処ぞのドブ川へと蹴り入れ、清々と棄て去って下さい。
あなたもひとかどの歌手であるなら、喉が裂けても歌い、唇が切れてもハーモニカを吹き、肉が覗こうともギターを弾きなさい、とのお叱りごもっともであります。一語の返す言葉もございません。わたくし今の今から心を入れ替え、皆様の期待に答えるべく最大限の努力をいたします。今度こそ私を信じて下さい。決して嘘は金輪際申しません。ただ、ただ最後に金輪際心を入れ替えることをお約束してその最後に、どうかフランク永井の物まねを聴いて下さい。

 

2012年7月1日