今、昼寝から目覚めてパソコンに向かっている。昼寝と言っても夕方の6時。ここ沖縄もこの夏はここまで天気が安定して夏らし良い日が続いている。網戸越しの風も優しく、甘やかで涼しい。つい今しがたまで、騒がしく不規則なリズムで鳴いていた蝉の音が気がつけば止んでいる。まだ冴えきらない頭に、夕暮れの生活音が心地好い。犬の鳴き声、子供の声、車のエンジン音、電動ノコギリの音、風鈴の音、等等。健やかな目覚めが気持ちを優しくしてくれるのか、一年に何度も味わえない気分に包まれている。毎日のすべての時間をこんな気分で誰もが過ごせたらとも思うが、それでは社会が立ち行かなくなるだろうし、人は生きることさえできなくなるだろう。
でも,考えてみてほしい。何も昼寝をしていなくたって、夕暮れに誰もが少し優しくなれたように思えるのは、きっと心が子供に帰っていると思うんだ。きっと夕暮れが人の心にもたらすプラスの効果があり、それがもっと役立つような社会的な取り組みがあったら面白いと思うのに。たとえば、国会などで重要案件を決議するのに閉ざされた場所ではなく、窓から外の夕暮れを見ながら行うとかさ。
アハハ…、いずれにしても人の心って不思議だね。爽やかな風ひとつで、気分が好転するなんて。人間ってすごいよ。俺ってすごいよ。なんか何でも上手く行きそうな気がする。神様はきっといるね。
だけどきっとこの最高の気分も、時間が経てば魔法が解けるようにすっかり覚めてしまうのかしら。あ、また蝉の鳴き声が聞こえてきた。今度は少し聞こえ方が違うぞ。なんかイライラする。風も湿気を含んできてベトベトする。あぁ、やっぱり昼寝の魔法からすっかり覚めてしまったんだ。それが証拠にこの文章、いつもと違わないか? いや、全くといっていいほど違う。なんだこりゃ、子供が書いたのか? まぁいい。とにかく、酒飲んで、メシ食って、また寝よう。
2008年7月23日