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長野から名古屋に向う特急(しなの)18号5号車自由席の車内にいる。

長野から名古屋に向う特急(しなの)18号5号車自由席の車内にいる。これから松本を経由して穂高駅までの一人旅だ。車内販売で天むすが売られているところが名古屋行きらしくてわかりやすい。発車してすぐ林檎の木を見つけて、南国では馴染みのない、枝が空に向かって伸びる木の形が愛らしくて、思わず顔がほころぶ。列車と並行して長野自動車道が進行方向右側に走っているのが見えて、その高速の標識に松本まで50kmとある。稲刈りの終わった田んぼと台風で稲が横倒しになってまだ刈り取られていない田んぼがあって、その中で農業を営み励む人の姿が生きることのたくましさや厳しさを思わせる。生存本能が希薄で、生活力がひ弱な僕には農業は到底できない生業であり、それだけに従事する人達に尊敬の念を抱く。云々。

 

友人家族に誘われて那須に2泊して、今朝、那須塩原から始まった旅で、(やまびこ)で大宮まで戻り、(あさま)で長野まで来て、そして特急(しなの)18号で松本まで行き、大糸線で目的地の穂高駅まで。ちょっとしたスケッチのような文を書いて、ウトウトする間に約4時間の旅を終えた。明日は安曇野でライブがあり、そのための前日入りということで、宿で温泉に浸かった後のんびりとこのメッセージをしたためている。

 

那須から安曇野まで、山、川、水、森、田園、空、と日本の自然の豊かさを見てそして感じて、改めてつくづく思った。絶対に掛け替えのないこの自然を壊しちゃいけないと。いや、世界中の素晴らしい自然を絶対に壊しちゃいけない。ましてや、人が行きたくて行けない場所があることなど、全くもって考えられないことである。
那須も原発事故の影響が多少なりともあると聞く。どこまで一体、拡がっているのか。こんな人を不安にし、しかも人に害あるものが本当に人間のために必要なのか。エネルギーや経済を盾に原発の必要性を説く人もいるが、それがなければ、世界経済が成り立たないと言う絶対的根拠は持たないはずだ。もし自分一人の経済的安定のための推進だとするなら、もう一度その愚かさを考えてみてほしい。一気に全廃と言うことは無理にしても、確実に近い将来、全廃にすると言う意志で、この国が世界をリードしてほしいものだ。

 

美しい自然があるから人は感動を覚え生きられるのだ。いくら経済が発達しても色をなくした自然の中では生きられない。

 

安曇野には、黒澤明監督の映画「夢」の第8話「水車のある村」のロケ地があると聞く。それはそれは色彩豊かでそのタイトル通りに夢のように美しいシーンだったことを記憶している。明日の朝、頑張って早起きして見に行けたらと思っている。

 

ちなみに黒澤明監督もその映画の第6話「赤富士」の中で、原発を非難している。一見の価値大いにあり。

 

2011年10月1日