永井龍雲 Official Web Site

お問い合わせ

ホーム > From 龍雲

From 龍雲

今日から12月。

今日から12月。
沖縄の朝はのどかに晴れて、鳥の鳴き声がして、程よく涼やかに風が渡っている。
上層階の自宅マンションから遠くに少し海を見ることができるのだが、波は穏やかにたゆたっているようだ。
知事選も終わり現職候補の再選となり、また新たな沖縄の朝が始まっている。普天間基地移設の問題は迷走し、急務だったはずの基地に隣接する小学校の危険の除去は棚上げにされている形だ。石垣に近い尖閣諸島をめぐる中国との領土問題はビデオ流出事件に矮小化され、何の解決も見ていない。北朝鮮による韓国への挑発爆撃に対する米韓の共同軍事演習は、今、目にしている海に連なるそう遠くないところで行われている筈だ。激動するアジアに目を向けてこれからの軍事、経済を考えると、沖縄の地図上の立地条件はむしろ首都東京よりもはるかに重大で、誤解を恐れずに極論するなら、沖縄に首都を移転させたほうがいい。と、まさか本気ではこんな住み良い島をこれ以上誰かに知ってほしいとは思っていないが、しかし考えてみれば今国が抱える国際問題の当事者と言えば、ある意味沖縄なのだ。
住み始めてから12年。当初はそんな風には正直沖縄を見ていなかった。色んな意味で、稀に大した島なのだと今は思う。
ピンポンパンの校内放送が聞こえて来る。放送部の男子生徒による何かのお報せ。犬の遠吠え。トラックのバックする時の警告音。たどたどしくも三線のゆったりとした音色。そのすべてが一瞬、基地に帰還する戦闘機の爆音にかき消される。そしてそれが終わればまた元の繰り返し。

 

昨夜は怖い夢を見た。久しぶりの金縛り。
でも大丈夫。以前ほど悪いことを想像しなくなった。身勝手になっている? そうとも言える。でもそう有りたいとは思っていない。与えられた条件の中で、今を生きている感じ。とりあえず、そんな感じ。
年内後沖縄、浜松の二本のライブと、ともしびクラブの集い。
クリスマス、正月はまだ無計画。12月は始まったばかり、そう急ぐこともない。

 

母の故郷奄美豪雨災害への義援金、ありがとうございます。たくさんの善意をお預かりしています。

 

クリスマス、お正月が皆様にとって幸せなものとなりますように、今この沖縄の見上げる空からお祈り申し上げます。

 

2010年12月1日