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四国霊場第66番札所である雲辺寺登頂の朝、四国は梅雨入りした。

四国霊場第66番札所である雲辺寺登頂の朝、四国は梅雨入りした。いつもより20日以上も早いという事だ。
88ヶ寺のうち一番高く、約1000m程の山上にあるお寺であるゆえ、雨に降られると厄介なことになるぞ、と心配していたが豈図らんや逆に脱水症を危惧するほどの好天に恵まれれ、道中の自動販売機に立ち寄る事しばしばだった。
登頂の朝、民宿で一緒だったオランダ人のおじさんが「雨降らないよ、絶対」と自信を持って予言していたが不思議にも当たった格好だ。彼曰く、日本は今回で5度目の訪問になるが、東京は大都会過ぎてあまり興味が持てず、四国の田舎の風景が気に入って今回は甥を連れての4回目の歩き遍路になるということらしい。他のお遍路さんからのまた聞きだがオランダで牧師さんかなんかをしているらしく、道理でこの予言しかり、フレンドリーな物言いや、歩き遍路の達人振りにも精神的余裕みたいなものが感じられ、ただものじゃないといった感じだった。73歳と聞いて、歩くペースも僕と比べようもないほど早く、そんなに急いだら帰国の飛行機の予約便までに2、3日時間が余るじゃないですかと質問したら、良い温泉が何処何処にあるのでゆっくりして帰るつもりだと、日本語がほとんど話せないのに大したものである。この方に限らず、外人お遍路さんが本当に多いのに驚かされる。どう感じながら旅してるのだろう。

一県一県を区切って巡るお遍路を区切り打ちというが、2月末から10日間の徳島に始まって、4月末から3週間の高知、そして今回10日間で愛媛。後残すところ約1週間程の日数で香川県のお寺を巡り結願する予定だ。

31日の早朝、曇天の梅雨空の中、第74番甲山寺、第75番の善通寺を巡って来たところである。特に善通寺は空海さんの生まれた場所であるのでここを今回の旅の括りとする事を目標にしていた。

雨の降り始めた高松空港で飛行機への搭乗が2時間以上も遅れて、このメッセージを書きながら讃岐うどんを食べている。
搭乗時、飛行機遅延のお詫びに飲食代千円がANAから渡された。讃岐うどんをタダで頂いたことになる。

最後の香川県の旅をいつにするかまだ決めていないが、秋の景色のいい時か、それ以前に心の景色がいい時があれば再び旅に出ることにしよう。