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さっきまで大粒の雨がベランダの手すりを激しく叩いていたかと思うと

さっきまで大粒の雨がベランダの手すりを激しく叩いていたかと思うと雨はすでに上がって、また明るく青空が広がっている。時々、遠雷がまだ聞こえて来るが、しばらくは晴れていそうだ。昨日もこんな天気で、昼過ぎまで雨だったのでジョギングをサボる口実ができたと思ったら、夕方の走る時間になったらきっちり雨が上がった。きっと今日も同じで、ジョギングに何の支障もきたさないのだろう。
こんな風に言うと、嫌々ジョギングをやってるみたいに思われるが決してそうではない。走り始めたらいつものように健康で走れることの喜びに満たされながら、走り終えて大いに達成感を味わっている。それでもジョギングを始めてかれこれ20年近くになるが、部屋着を脱いでウェアーに着替えるまでの億劫さは何年たっても同じで、ついつい雨が降ってくれないかなと願うことがある。今は基本、走る時間に雨が降っていなかったら走ることにしている。特に何もなければ。2月の東京マラソン後、5月までは毎日ではないにしろ定期的に走っていたが、6月7月はレコーディングやら恒例の娘達との夏休みもあり、ほとんどサボっていた。やっとここ一週間また走り始めたが、体重が知らず知らず増しているのだろう(この間は怖くて体重計に乗らない)体が重くて走り始めが本当にキツイ。いい加減に毎日続けるために散歩するように軽快にジョギングを楽しめないかと思うのだが、当然そんなに甘くはない。今日も走るまで後三時間。少し憂鬱。おまけに最近、ジョギング終えて必ずと言っていいほど立ち寄っていたコンビニが何の自分に知らせもなしにあろうことかいきなり潰れた。アイスキャンデーの買食いが一日における何よりの楽しみの一つだっただけに走るモチベーションを考えるとその精神的また枯渇的ショックは計り知れないほど大きい。
それほどまでして走るべきか、でもやっぱり走るんだな、これが。今年三日間の公演になった浅草は木馬亭。どうしても成功させたいし、そうするためには自分を律して臨まねばならない。走って何が変わるかじゃなくて、それに向かう姿勢こそが浅草の芸人さん達に対する最低限の礼儀と考えるから。楽して立つのは失礼な舞台である。今のところ浅草でコンサートをやる必然性はその想いのみにある。
木馬亭に続いて9月になれば新曲もリリースされる。今回のこのシングルに含まれる2曲は奇しくも自分の原点を歌ったものであり、来年デビュー40周年を迎えるにあたり大きな節目としてこの上ない作品が出来上がった。繰り返すが、意図した訳ではない。2曲とも運命的な必然的なものとして生まれたとしか自分では考えられない。これをヒットさせるためにも今日走ることが大事だし、ヒットさせることができなければ尚更にその後のためにも今日今から走ることが大事だ。自分のような生き方をしているとつくづく思う。人生は気持ちの持ち方次第だと。気持ちが萎えたら全てが終わる。この張り詰めた気持ちを切ってしまわないように今はジョギングがあるように思う。ジョギングに代わるものが見つかるのであればそれはそれでいい類のものである。肉体的にも楽だし。しかし、1日1日を生きていると実感させてくれるもの、とりあえず今はジョギングしかない。
外を伺って見る。雨は完全に降りそうにない。理屈をこねてはみたけれど、走るか、今日も。キツイけど。